福島県の北部、伊達郡桑折町の農業法人を訪問しました。桑折町は桃の大産地で、献上桃の生産で有名です。
訪問の目的は補助金の話ではなく、新商品開発、販路開拓をどのようにしたらよいかというアドバイスを行うためです。
意外と知られていないことですが、収穫した桃の中で市場に出荷されるのは約半分にしかならないそうで、残りの半分は㌔単価5円~10円でジュース加工原料として買い取られるか、廃棄されるかというのが現状です。したがって、この市場に出荷できない桃を付加価値をつけていかに高く売ることができるかというのが桃農家の悲願なのです。
農産物を加工品にして販売することを6次化と言いますが、6次化には補助金が出ます。したがって、設備の購入などは問題なくできるのですが、多くの農家が商品開発と販路開拓の壁にぶつかります。つまり「機械を買って作ったはいいけど、売れない、誰に売ればいいのかわからない」という状況になってしまうのです。
補助金、助成金は一時的には経営を助けます。しかし、それは経営の本質的な要素ではありません。この事業者さんは「持続化補助金」や「業務改善助成金」を利用して設備を購入していました。それらはもちろん経営に貢献していますが、本質的な経営課題から見ればとても小さなことです。
いかにその事業者の本質的な課題を解決してあげることができるか、真摯な姿勢で取り組んでいきたいと思います。